ヤマモモ栽培種 放任
6月はたまに山からヤマモモとヤマビワを採って来てお客様に出している。
ヤマモモは小粒サクランボかユスラウメ程度、ヤマビワはキンカン程度の大きさで、市販のビワの半分以下と極端に小さい。
ヤマモモの栽培種の大きさは野生種の数倍で食べごたえはあるが野生種のほうが甘く、ビワも小さい方が甘くて美味しい。
野人の言うヤマビワはマメビワとも言い、栽培していた木を放置して小さくなった実とは異なるが、学名は同じでビワはビワだな。
山などで明らかに人が植えそうにもない場所に生えるビワは種から発芽したもので、その種は栽培種からか古来種からかどちらかだが、土器などから種が発見されておらず日本の古来種があったかどうかはいまだ不明だ。
栽培種の種が発芽したものはそこまで小さくならないことから古来種の可能性は消えない。
流通するビワ、付近に植えられているビワの大半は「茂木」か「田中」と言う種だが、果実の特徴は楕円形、しかしヤマビワの特徴はほぼ球形でその面影はない。
さらに実に比例して種まで小さいことから古来種の可能性も高い。
種から成長した木の実の種の大きさが「半分以下」など樹木では通常ないが、栽培種と古来種、あるいは既に交配したものが古来種と交配を繰り返せば野生に戻り、種も果肉も本来の形に戻るのが道理。
柿は果物では唯一日本の古来種であり、山の柿と山のビワには共通したものがある。
山に自生する果物ビワと柿は「果実」本来の形を示し、人がどのように改良しようが自然界は必ず復元力が働き、理に適った形に戻る。
果実だけでなく野菜類も同じで、断固として植物とは何かを示し続けているように見える。
果肉とは何か、必要最低限の糖分で動物に種を運ばせる為のもの。
人が良かれとする農産物は自然の産物ではなく、自然との戦いの産物ではなかろうか。
理に適わないからこそ、その形の維持に労力を要する。
一番バランスのとれた甘さと旨さを持つビワはちっこくてまん丸いビワで、次が栽培種の種が山で発芽したもので、種の大きさでそれがわかる。
栽培種を放置したビワは摘果もせず小さいがヤマビワよりは大きく形も楕円形、味はヤマビワに比べて水っぽい。
ヤマビワにも個体差があり、さらに環境で味は微妙に変わるので旨い木を選ぶ必要がある。
ヤマモモは酸味の強い甘酸っぱさで野人向きではないが人気は高い。
ヤマビワは果物と言うより木の実のような雰囲気で甘く大人気。
ビワだけでなく、栗やミカンも大きく立派になる程味は薄くなる。
それぞれの原種であるシバグリとコミカンを食べれば一目瞭然。
植物が一個の果実に供給する糖分は最初から決まっているからだ。
味が薄くなると言うことは本来のバランスも悪くなることに他ならない。
人は肥料成分を工夫することで味や甘味を補おうとして来た。
健康目的で人体に向き合う思考とまったく同じだ。
健康悪化はさらに進んだが、生活習慣が悪者になり、悪化の原因をはっきり指摘する人も間違いを詫びる人もいない。
本来のバランスとは植物のみ知るところであり人知は及ばない。
同じ植物である野菜にもそれが言える。
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